変形性膝関節症はどんな人になりやすい?原因・特徴・予防法を徹底解説

「最近、階段の上り下りで膝が痛い…」
「立ち上がるときに膝がこわばる…」

そんな膝の違和感を感じている方は、変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)の初期かもしれません。


この病気は年齢を重ねた人だけでなく、生活習慣や体型、仕事の影響などでも発症リスクが高まる病気です。

この記事では、変形性膝関節症になりやすい人の特徴と、予防・対策方法について詳しく解説します。

変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減って炎症や変形を起こす病気です。


膝の骨の表面は、正常であれば「関節軟骨」というクッションに覆われています。


しかし、加齢や過剰な負荷によりこの軟骨がすり減ると、骨同士が直接こすれ合い、痛みや腫れ、関節の変形が生じます。

初期段階では軽い違和感やこわばりですが、進行すると日常生活にも支障をきたします。


重度の場合、歩行困難となり、人工関節の手術が必要になることもあります。

変形性膝関節症になりやすい人の特徴

① 中高年の女性

変形性膝関節症は、特に40代以降の女性に多い病気です。


女性が男性より発症しやすいのは、ホルモンの影響筋力の違いが関係しています。

女性ホルモン(エストロゲン)は骨や関節の健康を保つ働きがありますが、更年期を迎えるとその分泌が減少します。


その結果、関節軟骨が弱くなりやすく、膝への負担に耐えられなくなるのです。


また、男性に比べて筋肉量が少ないことも膝への負担を増やす原因になります。

② 肥満気味の人

体重が重い人は、膝関節にかかる負担が大きくなります。


歩くたびに膝には体重の約3〜5倍の力がかかると言われており、体重が1kg増えるだけで膝には3〜5kg分の負担が増す計算になります。

そのため、肥満や体重増加は膝関節症の最大のリスク要因のひとつです。


特に内側の軟骨がすり減りやすく、O脚(がに股)変形を伴うことが多いのが特徴です。

③ 運動不足の人

一見、膝の負担を減らすために「動かさない方が良い」と思われがちですが、運動不足は逆効果です。


筋肉が弱ると、膝関節を支える力が低下し、関節にかかる負担が大きくなります。

特に太ももの前側にある「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」の筋力低下は、膝の痛みを悪化させる原因のひとつです。


デスクワーク中心の生活や外出の少ない高齢者は注意が必要です。

④ 膝に負担をかける仕事・スポーツをしている人

膝の曲げ伸ばしが多い職業や、重い荷物を運ぶ仕事をしている人も発症しやすい傾向にあります。


たとえば、以下のような人たちです。

  • 長時間の立ち仕事(介護士、調理師、美容師など)

  • 床での作業が多い仕事(農業、清掃、和室での作業など)

  • 膝を酷使するスポーツ(マラソン、サッカー、バスケットボールなど)

長年膝に負担をかけることで、軟骨のすり減りが進行しやすくなります。

⑤ O脚・X脚など脚の変形がある人

O脚やX脚といった脚のアライメント(骨の並び方)の異常も、膝関節症の大きなリスクです。


O脚の人は膝の内側に、X脚の人は外側に負担が集中するため、特定の軟骨が早く摩耗します。

このような場合、若い頃から少しずつ進行していることが多く、年齢を重ねることで痛みが表面化します。

⑥ 膝のケガや手術の既往がある人

過去に半月板損傷前十字靭帯断裂などの膝のケガをした人も、変形性膝関節症になりやすいです。


ケガによって関節のバランスが崩れたり、関節内で炎症が繰り返されたりすることで、軟骨が劣化しやすくなります。

スポーツ選手や、若い頃に運動で膝を痛めた経験がある人は、早めのケアが大切です。

変形性膝関節症の主な症状

初期段階では軽い痛みや違和感だけですが、進行するにつれて次のような症状が現れます。

  • 朝起きたときや立ち上がるときに膝がこわばる

  • 歩き出しに痛みを感じるが、動くと楽になる

  • 階段の昇降や正座がつらい

  • 膝に腫れや熱感がある

  • O脚が進行し、見た目が変わってくる

放置すると関節の変形が進み、日常生活の動作(歩く・立つ・しゃがむ)が困難になることもあります。

予防のためにできること

1. 体重をコントロールする

まずは体重管理が基本です。


バランスの取れた食事を心がけ、急な体重増加を避けましょう。


減量することで膝への負担は大幅に軽減されます。

2. 筋力をつける

太ももの筋肉(特に大腿四頭筋)を鍛えることで、膝関節をしっかり支えることができます。


おすすめの運動は次の通りです。

  • 椅子に座って片脚ずつ伸ばす「レッグエクステンション」

  • 無理のない範囲でのウォーキングや水中歩行

  • 膝への衝撃が少ないストレッチやヨガ

 

3. 姿勢と歩き方を意識する

猫背や偏った歩き方は、膝に不均等な力をかけます。


背筋を伸ばし、つま先と膝の向きを揃えるように意識して歩きましょう。

4. 膝を冷やさず温める

冷えは血流を悪くし、関節の痛みを強めます。


お風呂でしっかり温まる、膝を保温するなどの工夫も効果的です。

まとめ

変形性膝関節症は、中高年女性・肥満気味の人・運動不足の人に多く見られる病気ですが、生活習慣の見直しや筋トレによって予防することが可能です。

「少し痛いけど我慢できるから大丈夫」と放置せず、早めに整形外科を受診して原因を確認しましょう。


日々のケアと正しい知識が、いつまでも自分の足で歩ける未来につながります。

京都おざき整体院